当院の治療方針
- 診察はすべて小児科専門医が行います。
- 地域のこどもたちの最初の相談窓口として風邪からけがまで幅広く対応します。
- こどもの負担になるお薬や検査は最小限にする努力をします。
- 当院では18歳未満の未成年のお子さんには保護者の方の同伴をお願いしています。
- 当院では診療の円滑化を図るため、Web予約時にWeb問診システムを使用して事前に問診票への回答をお願いしています。
- 緊急性の高いお子さんが受診された際は、予約などの順番に関係なく、順番を前後した形で先に診察を行う場合がありますがご了承ください。
小児科一般診療
風邪薬について
大人と違い、あらゆる風邪を未経験のこども達はくり返し風邪をひきます。特に集団生活をするようになると、頻回の発熱、繰り返す鼻水や咳、長引く症状に悩んだり、心配される保護者の方が多いのではないでしょうか。保育園や幼稚園からの呼び出しもこの時期はとても多いかと思います。同じ子育て中の親として、もし有効性の高い“風邪薬”があれば、ぜひとも自分のこどもにも飲ませたいところです。
しかし、インフルエンザや気管支喘息など特定の診断がつかない症状の場合には小児科医の治療選択肢は多くありません。私たちは自分のこどもが風邪をひいた場合には適宜解熱剤を使用しますが、咳や鼻水に対しては、はちみつを与えたり、鼻水を吸引しながら過ごしています。お薬を使うことで安心する、効果を感じるお母さんお父さんもいらっしゃるため、風邪に対して様々なお薬をまとめて処方する小児科医もいます。
また、自然に軽快する病気に対して万が一副作用が出たら悲しいので、処方は最小限にとどめる小児科医もいます。当院はどちらかというと後者のスタンスを採用していますが、何かご不明な点や希望がございましたらお声掛けください。お薬を飲む以外に、感冒時におうちで出来ることなどもお伝えできればと思います。
解熱鎮痛薬 アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ@)
内服薬は内服後1時間程度で、座薬は30分程度で効果を発揮し、2~4時間程度の解熱効果が得られます。38℃くらいや痛みを目安に1日4回まで使用できます。熱が上がっていく時に使用すると見た目の体温が下がらずに一見効果がないように見えますが、効果がないわけではありません。その場合には氷嚢などを併用しましょう。
去痰薬 カルボシステイン(ムコダイン@)、アンブロキソール(ムコソルバン@)
鼻水と痰が出やすくなるお薬として処方されます。内服により痰がらみの咳や鼻水が減少する訳ではなく、出しやすくなるかもしれないというお薬です。鼻水に関しては物理的に吸引するほうが効果的と考えます。
鎮咳薬 チぺピジンヒベンズ酸塩(アスベリン@)、デキストロメトルファン(メジコン@)
咳を減らすお薬として処方されます。内服により咳が減るかもしれないというお薬です。ハチミツを1日1回食べる方が効果的かもしれません。当院では1歳以上のお子さんにはハチミツをお勧めしています。アスベリン@内服中は尿が赤くなる場合があります。メジコン@は市販薬としても購入可能で、乱用によりその中枢神経作用(脳への作用)で意識障害などの中毒症状が起こることが報告されています。
抗ヒスタミン薬 レボセチリジン(ザイザル@)、フェキソフェナジン(アレグラ@)など
鼻水のお薬として処方されます。アレルギー性鼻炎であれば効果的ですが、感染性の鼻水であれば鼻水の減少効果は期待できません。また中途半端に鼻水の水分が減少すると、鼻水の排出が阻害されてしまい、相対的に鼻の空間が狭い小さいお子さんでは治癒過程の邪魔をすると考えています。当院では蕁麻疹かアレルギー性鼻炎を併発している、もしくはそれを疑う場合にしか処方しません。
ロイコトリエン拮抗薬 プランルカスト(オノン@)、モンテルカスト(シングレア@)
気管支喘息を持っているお子さんが普段から内服し、喘息発作が起きにくくするお薬です。感染性の鼻水や咳には効果はありませんので、喘息の診断がついている、もしくは喘息が疑わしいお子さんにしか処方しません。
気管支拡張薬 ツロブテロール(ホクナリンテープ@)
喘息発作が起きた時に気管支(喘息で狭くなる空気の通り道)を広げるお薬で、2週間以内を目安に使用します。感染性の咳には効果はありませんので、喘息の診断がついているか疑わしいお子さんにしか処方しません。
よくある質問に関して
- Q何度から発熱と考えたらよいですか?
- A赤ちゃんの場合には過ごしやすい室温の中、肌着1枚の状態で脇や首の隙間で体温を測定しましょう。
30分空けて2回測定し、38度以上あれば発熱としてください。ただし生後3か月までは37.5度以上でも発熱とする場合があるため、2回測定して37.5度以上であれば受診をお願いします。泣いた後や授乳直後、入浴直後は体温が高めに出てしまうため避けてください。 - Q室温や湿度はどうすればよいですか?
- A夏場は26~28度、冬場は20~22度程度の保護者の方が過ごしやすい室温に設定してもらえば大丈夫です。一般的に赤ちゃんは着せすぎになりがちなので、大人と同じか1枚少ない対応で問題ありません。冬場は暖房により乾燥しやすいため、加湿を行い乾燥しすぎないように注意してください。
- Q解熱剤はできるだけ使わない方がよいでしょうか?
- A発熱はウイルスや細菌の活動を抑えつつ、自分の免疫細胞が活動しやすい有利な状態を作り出すための反応です。そのため、無理に解熱させると感染症が長引くのではないかとの懸念をお持ちの方がいらっしゃると思います。しかし、解熱剤を使用しても通常のウイルス感染症では治癒過程を阻害しないと考えています。そのため、高熱で哺乳量が低下したり、寝つきが悪くなり体力が低下してしまうよりは1日2~3回程度解熱剤を使用して、症状を緩和して経過を見る方が望ましいと判断しています。
- Q解熱剤の坐薬の使い方はどうしたらよいですか?
- A解熱剤の坐薬はロケット型をしています。ロケットの先端部分に潤滑剤代わりにワセリンを少量塗布するかぬるま湯で先端部分をぬらしてから挿入するとスムーズに使えます。挿入後すぐにうんちと一緒に出てきてしまうことがあります。おむつを交換したときに坐薬がつかめるくらいしっかりと形を保っていたら再度挿入してください。つかめないもしくは見えない場合には吸収されたと判断して1回分にカウントしてください。4時間以上間隔を空けて、1日4回までは使用可能です。
- Q受診のタイミングはどうしたらよいですか?
- A生後初めての発熱では対応もまだわからずに不安だと思いますので、発熱した場合にはその日のうちに受診をしてください。診察をした上で、対応を説明したいと思います。2回目以降の発熱は、発熱以外の症状がない、もしくは軽度の咳や鼻水くらいであれば適宜解熱剤を使用しながら初日は様子を見てもかまいません。 2日目も発熱が持続する場合には、流行状況によってはインフルエンザの検査なども行いますので受診をお願いします。再診のタイミングは、初回の受診からさらに2日以上発熱が持続した場合や、初回受診時よりも何かの症状が悪化した場合を目安にしてください。
発熱
当院では発熱のあるお子さんの診察では耳の観察も行い、見逃されやすい急性中耳炎 がないか診察を行います。 咳や痰の症状を伴っていることが多く、その場合には急性上気道炎・気管支炎・肺炎を疑います。 流行状況に応じてRSウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルスなどの検査を行います。 少し特殊な発熱として予防接種後発熱や川崎病があります。 年齢によって必要な検査や疑う病気が変わります、特に1歳までの発熱には注意が必要です。
咳
小児科の最も多い症状の1つです。
発熱や鼻水とともに症状が出て急性上気道炎・気管支炎・肺炎の診断になるお子さんが多くいます。
ゼイゼイしたような咳や呼吸になる気管支喘息や突然夜間にオットセイの鳴き声と表現されるような苦しそうな呼吸、かすれ声になるクループが頻度の高い重要な病気です。
鼻水
小児科の最も多い症状の1つです。
発熱や咳とともに症状が出て急性上気道炎・気管支炎・肺炎の診断になるお子さんが多くいます。
当院では発熱のあるお子さんの診察では耳の観察も行い、見逃されやすい急性中耳炎がないか診察を行います。
感染症ではない鼻水として、毎年決まった時期に鼻水が目立つアレルギー性鼻炎がありますが、小学生以上のお子さんは舌下免疫療法の対象になる可能性があり、治療に関して興味がある方はご相談ください。
嘔吐、下痢、お腹が痛い
頭が痛い
いわゆる風邪に伴う症状の1つであり、インフルエンザウイルスや溶連菌感染症でも比較的多くみられます。
痛みの程度が強かったり、繰り返す頭の痛みや1週間以上持続する場合には頭部CT検査やMRI検査が必要になる場合があります。
耳が痛い
発熱や鼻水とともに症状が出て急性中耳炎の診断になるお子さんが多くいます。
喉が痛い
いわゆる風邪に伴う症状の1つであり、溶連菌感染症では必ず食べ物やつばを飲み込むときの痛みとして現れます。
喉や扁桃の奥に膿が貯まる稀な場合を除いて、抗菌薬が唯一必要な喉の痛みは溶連菌感染症だけになります。
例年梅雨から夏にかけて流行するヘルパンギーナや手足口病でも口やのどに口内炎様のアフタと呼ばれる病変が出来て痛みを生じます。
首が痛い
感染症や川崎病に伴い、首のリンパ節が腫れることによって起こります。
感染症としては多くはウイルス感染症であり、経過観察が基本になりますが、溶連菌感染症や化膿性頸部リンパ節炎では抗菌薬を内服する必要があります。
リンパ節に膿が貯まったり、川崎病の診断になった場合には入院治療が必要な場合があります。
当院では超音波検査を使用してリンパ節の腫れ具合を見させていただく場合があります。
ぶつぶつが出た
感染症、特にウイルス感染症では蕁麻疹や中毒疹と言われる多彩な発疹(ぶつぶつ)が出ます。
ウイルス性中毒疹という感染に伴う発疹は全身に広がり、派手な見た目になりますが、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や保湿剤の併用で多くは1週間程度をピークに、2~3週間以内には改善することが見込まれます。
蕁麻疹が出た場合も80%以上がアレルギーと関係なく、原因不明か多くは感染症に伴うものですので抗ヒスタミン薬を使用して1週間以内に改善が得られます。
特徴的な発疹を呈する感染症として、3~4日間の発熱の後に解熱した段階でお腹や背中などを中心に汗疹(あせも)のような発疹が出る場合には突発性発疹症を、手のひらや足の裏、おしりなどに小さな発疹が出る場合には手足口病を疑います。
夏場によくご相談を頂く水いぼに関してはいくつかの治療の選択肢がありますので症状や希望に応じて治療を行います。
ひきつけ(痙攣)
特にウイルス感染症の発熱に伴い起こる熱性痙攣は頻度が高く、日本人では小学校に入学する頃までに数~10%程度のお子さんが経験します。
熱がない状態での痙攣では、特に繰り返す場合にてんかんを疑われることが多く、脳波や頭部MRI検査などが必要になる場合があります。
痙攣全般として5分以内の短時間に痙攣が収まり、その後すぐに目が覚める場合には後遺症の可能性は高くありませんが、痙攣が5分以上続く場合やすぐに意識が戻らない場合には救急要請が必要になります。
外傷(けが)
乳幼児健診
当院で行う乳幼児健診について
受診される場合の持参物
- 予防接種予診票
- 健康診査受診票(港区保健所より郵送されます)
- 母子手帳
- 乳幼児医療証
- 保険証
- 診察、計測、予防接種を行いやすいように脱衣に適した衣服での受診をお願いします。
小児予防接種
予防接種のスケジュール
当院では日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールを参考にしています。
予防接種の予約方法等について
予防接種に関してはWeb予約システムの利用をお願いしています。
スケジュール以外での接種にならないように設定していますので、当日の接種前確認と合わせてダブルチェックによる接種間違い防止にご協力ください。
予診票が送られてこない任意接種の予防接種に関しても当院では推奨しています。
詳しくは『任意接種の予防接種に関して』をお読みください。
任意予防接種の費用について
- おたふくかぜワクチン
- 7,000円
- 3種混合ワクチン
- 6,000円
- ポリオワクチン
- 8,000円
- インフルエンザワクチン
- 4,500円
※費用は税込になります