マイコプラズマ感染症
熱、咳、かすれ声、咽頭痛、頭痛などの症状をよく認め、乳幼児のお子さんより小学生以上の肺炎の病原体として頻度が高く、長引く発熱と咳(2〜3週間発熱や咳が持続することが珍しくない)を特徴とします。
症状
発熱、咳、かすれ声、咽頭痛、頭痛などの症状をよく認めますが、じんましんや紅斑などの発疹と腹痛、嘔吐、下痢などのお腹の症状も3〜4人に1人くらいの高い割合で報告されています。乳幼児のお子さんより小学生以上の肺炎の病原体として頻度が高く、長引く発熱と咳(2〜3週間発熱や咳が持続することが珍しくない)を特徴とします。
マイコプラズマは非常に小さな細菌の仲間であり、人間の細胞を傷つけたりする能力がとても高い訳ではなく、マイコプラズマを排除しようとする体の免疫力が過剰に強く反応してしまい、その炎症によって肺炎症状が強く長期化してしまうことがあります。そのため、免疫力の未熟な乳幼児よりも、免疫力がしっかりとついてきた小学生以降で典型的な肺炎を起こしやすいと考えられています。乳幼児でも肺炎を起こしますが、頻度の高いウイルス性肺炎と見分けはつきません。
診断
肺炎を起こすマイコプラズマは当然肺や気管支に多く分布し、咽頭への分布は多くありません。
そのため検査の検出力には限界があり、PCR検査などの遺伝子増幅法が望ましいと考えられます。
クリニックレベルでは院内での実施が困難なため、外注検査機関に委託し、結果判明までに3〜4日程度かかるのが難点です。咽頭拭い液で行う抗原検査は迅速性に優れますが、検出力が50%と低く、検査が陰性でも感染を完全には否定出来ません。ある程度流行している状況では症状のみで診断を行う場合があります。
潜伏期間
2〜3週間と長く、感染者が発生するとしばらく注意が必要です。
治療
マイコプラズマを排除するための抗菌薬内服と、過剰になった免疫反応を抑えるステロイド薬を、症状と経過を診て組み合わせて治療を行います。
ただ軽症であれば疑った場合でも抗菌薬投与も検査も行わずに、対症療法のみで経過観察を行います。