気管支喘息
喘息とは、気道(空気の通り道)に慢性的に炎症があり、それにより発作的に気道が狭くなり、喘鳴(ゼイゼイ)や息苦しさの症状が起こります。一般的には風邪をひいたり、気温の変化が大きいときに、夜間から明け方にかけて発作が起こります。典型的な喘鳴と吸入薬での症状改善があれば診断は容易ですが、乳幼児(5歳まで)ではRSウイルスなど気管支炎でも同様の症状が出るため、喘鳴(ゼイゼイ)の症状が3回程度繰り返す場合に気管支喘息の診断を行います。約半数のお子さんにアレルギー素因(体質)が背景にあり、発症します。特に多いダニに関しては舌下免疫療法を行うことで、喘息の管理に一定の効果が加わることが期待され、ガイドラインでも標準治療に挙げられているため、当院では小学生以上のお子さんにはアレルギー検査と舌下免疫療法をお勧めすることとしています。一過性の喘鳴を除くと60~70%のお子さんは大人になるまで喘息が続くので定期的な受診、治療が重要になります。
主な症状
息苦しさや喘鳴(ゼイゼイ)。 特に夜間、明け方に症状のピークがみられることを多く経験します。
検査
アレルギー検査
ダニ、ハウスダストやIgEなどアレルギーの検査を行う場合があります。
心臓超音波検査
生後6か月までの喘鳴や治療への反応が悪い場合に心臓病による喘息のような症状を見分けるために行います。
治療
発作ではない時
発作の頻度により治療が異なります。年に数回程度の軽い発作であれば普段は何も使用しません。月1回以上症状が出る場合や入院を要するような発作を起こした場合には発作を起きにくくする内服薬やステロイドの吸入薬を症状の程度に応じて使用していきます。
発作時
気管を広げる吸入薬とステロイドの内服を行います。
合併症
長期でステロイドの吸入薬を使用すると口腔カンジダ症(口の中にカビが繁殖する)や成長障害(最終身長が1㎝程度低くなる)が報告されています。数日程度の短期間のステロイド内服薬では大きな副作用はまれです。