溶連菌感染症

この細菌は、主に 3歳以上のお子さんに好発する咽頭炎が主体となるタイプと猩紅熱と呼ばれる皮疹(体の中心部にざらざらとした紙やすり様の小さな赤みを伴う発疹)を伴うタイプの大きく分けると2つの感染症を起こします。冬季および春から初夏にかけての2 つの流行ピークが見られます。
主な症状
発熱 、咽頭痛、嚥下時痛(つばや食べ物を飲み込んだりした時にのどを痛がります)、首のリンパ節の腫れと痛みが主にみられます。
発疹が出るタイプであれば頬部や体の中心部にざらざらとした小さな赤みを伴う発疹が出現して、軽いかゆみを伴うこともありますが、1週間程度で徐々に赤みが改善し、表面のざらつきなどは1~2週間かけて改善していきます。
時に頭痛、嘔気、嘔吐や腹痛の症状がみられることもあります。
潜伏期間
一般的に2~5日間
検査
症状から溶連菌感染症を疑った原則3歳以上のお子さんではのどを綿棒でこすり迅速抗原検査を行います。
15分程度で溶連菌感染症が陽性か陰性か判断できます。
(*3歳未満のお子さんでは溶連菌感染症の頻度が少なく、また合併症なく自然治癒することが多いため、
周囲での明らかな流行がなければ検査対象にはなりません。
*健康なお子さんの15-30%が喉に溶連菌を保菌しています、そのため典型的な皮疹や喉の赤み、のどの痛みがない状態で検査すると間違った診断になりますので注意して検査を行うか判断します)
治療
抗菌薬を10日間内服します。
抗菌薬はアレルギーがない限り、アモキシシリン(ワイドシリン®、サワシリン®)が標準です。
抗菌薬内服開始後24時間を経過して解熱していれば登園、通学は可能です。
合併症・再診の目安
咽頭炎に罹患した後、10日から3週間経過した頃に急性糸球体腎炎、リウマチ熱を起こすことがあります。
適切な抗菌薬治療が広まり、リウマチ熱は非常にまれな病気となりました。
急性糸球体腎炎は体のむくみやだるさ、血尿が出ることがあります。
溶連菌感染症治療後1か月以内に体のむくみや血尿が出た場合には再診をお願いします。