1歳までの発熱
この時期の発熱は少し注意が必要ですが、それでもウイルス感染によって起きる発熱、咳、鼻水症状を主体とする感染症で、いわゆる風邪と呼ばれる病気のことがほとんどです。
2~3日で解熱し、症状が改善することがほとんどですが、生後1か月までは検査をして入院、生後4か月までは検査を行うことが多く、月齢によっても対応が変化します。
生後1か月まで
原則検査と入院になります。
生後1~4か月まで
予防接種後発熱を疑う場合を除き、血液検査、尿検査が必要なことがほとんどです。
生後4か月以降
ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンを2回以上接種している4か月以降のお子さんに関しては症状と経過を見て検査を判断します。
発熱、咳、鼻水の症状がある場合
→3日以内に解熱すれば急性上気道炎、いわゆる風邪と判断します。
→3日以上発熱が持続する場合には急性中耳炎か急性気管支炎になっていないか診察を行います。
発熱以外の症状が全くない場合
→3日以上発熱が持続する場合には尿路感染症を疑います。
発熱以外に目の充血や唇と手足の赤み、体のぶつぶつなどが目立ってくる場合
→川崎病を疑います。
検査
症状や経過、周囲の流行状況を勘案してRSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルスなどの検査を行う場合があります。
治療
適宜鼻水の吸引を行い、解熱剤と原則対症療法で経過を見ていきます。
- 生後1か月までの発熱は全員、生後3か月までのお子さんは検査を要すると判断した場合、尿路感染症、川崎病を疑う場合には検査対応ができる病院に紹介を行います。
咳止めや鼻水止めの内服薬がありますが、効果は限定的なため使用しないで経過を見る方針を基本としています。
急性中耳炎や経過の長い気管支炎を合併した場合には抗菌薬の内服とともに処方を行う場合があります。