川崎病
この病気は、主に4歳以下のお子さんに好発する原因不明の疾患で、以下の症状が出ます。
症状が5つ以上で診断しますが、場合によっては4つ以下でも疑うことがあります。
主な症状
① 発熱
→体温37.5℃以上
② 両側眼球結膜の充血
→目の白目の部分が真っ赤に充血します。
③ 口唇、口腔所見:口唇の紅潮、いちご舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
→唇がいつもより赤くなったり、舌がいちごのように赤く、つぶつぶして見えます。
④ 発疹(BCG接種痕の発赤を含む)
→体中に赤みや蕁麻疹のようなぶつぶつが出たり、BCGを接種した部分が赤く腫れます。
⑤ 手足の変化
→手のひらや足の裏がいつもより赤くなったり、指が全体的にむくんできます。
⑥ 頸部リンパ節腫脹
→首のリンパ節が腫れて痛がります、3歳以上では約90%に見られる症状です。
*日本川崎病学会 (jskd.jp)ホームページで症状の写真が見れます。
検査
溶連菌、アデノウイルスでも川崎病様症状が出るため、疑う場合には迅速検査を行います。 頸部リンパ節腫脹に対して超音波検査を行う場合があります。 症状だけでは診断に悩む場合には血液検査で炎症反応を確認することがあります。
治療
免疫グロブリンの点滴やアスピリンの内服を原則入院で行います。
川崎病を疑う、診断した場合には入院治療のできる病院にすみやかに紹介を行います。
合併症
川崎病の一番の問題点は、心臓の血管である冠動脈に動脈瘤(こぶ)ができることです。川崎病にかかったお子さんの約3%になんらかの瘤ができると言われています。冠動脈に瘤ができると、将来的に、狭心症や心筋梗塞を起こす危険性が高まってしまいます。
再診の目安
多くのお子さんは熱が出てから4日目や5日目になって、上記の症状が4つか5つになり診断されることが多く、また発熱後1週間以内に治療を開始すると治療成績に大きな違いはないと考えられています。そのため発熱後1週間以内の診断を目標としています。
1回目の受診時に診断に至らない場合には原則2-3日後に再診をお願いしていますが、保護者の方から見て、新たに症状が増えて5つ以上になった場合には、その時点で受診をお願いします。