アデノウイルス感染症
アデノウイルスは一般的な風邪から胃腸炎や結膜炎など多彩な症状を引き起こすウイルスです。いわゆるプール熱など夏場の感染症の代表の1つであり、高い感染性を示す場合が多く、保育園や幼稚園、家庭内でまとまった流行を引き起こします。
咽頭結膜熱(プール熱)
突然の高熱で発症し、頭痛やのどの痛みが現れます。ほぼ同時に目の充血や目やに、目の痛みも出現します。目の症状は一般的には片方の目から始まり、その後もう一方の目にも症状が出始めます。3~5日程度症状が持続して、その後改善していきます。
流行性角結膜炎
強い目の充血、目の痛み、多量の目やにが出現します。目の症状は他のウイルスによる結膜炎よりも強く出る場合が多く、発症後2~3週間程度かけて症状が改善していきます。感染性が大変強く、家庭内感染や院内感染を起こすことが多いことで有名です。
急性出血性膀胱炎
排尿時の違和感、痛みとともに血尿が出ます。発熱はなく、1週間程度で症状は改善します。
大腸菌などによる細菌性と見分けがつかないため、抗菌薬の内服を行います。
検査
のどや目(下瞼の内側)を綿棒でこすり迅速抗原検査を行います。
30分程度でアデノウイルス感染症が陽性か陰性か判断できます。
治療
原則対症療法を行います。
痛みや熱に対して、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)を使用します。
目の症状に対して点眼薬を使用する場合があります。
急性出血性膀胱炎に対しては3日間抗菌薬の内服を行います。
咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎以外は解熱し、咳と鼻水、のどの症状や食欲が改善していれば登園は可能です。
咽頭結膜熱(プール熱)は症状改善した後2日経過してから、流行性角結膜炎は症状改善した後に再診して頂き、診察して感染の恐れがないと判断された場合に登園可能です。
合併症
脱水症
→のどの痛みで経口摂取が低下した場合に見られます。
結膜炎の症状が強い場合には眼科への紹介を行う場合があります。
再診の目安
受診後2日経過しても症状の改善が見られない場合やのどの痛みで水分摂取が低下した場合は、また咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎と診断された場合には症状改善した後で再診をお願いします。