蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシー
アレルギーの症状は多彩ですが、頻度の高いものとしては皮膚が赤く盛り上がってかゆみが出る蕁麻疹などの皮膚症状、のどがイガイガしたり、息苦しさが出る呼吸の症状、嘔吐や下痢のおなかの症状、ふらついたり、意識を失う神経の症状、血圧が下がってしまう心臓の症状などがあります。これらの症状が複数出てしまう重症なものをアナフィラキシーと呼び、緊急の治療が必要になります。通常はアレルギーの物質を体に取り込んでから2時間以内に症状が出てきます。離乳食など初めて食べるものにチャレンジするときは十分な経過観察が出来て、医療機関も多く通常診療を行っている平日午前中をお勧めします。
蕁麻疹などの皮膚症状だけの場合は実はアレルギーではないことの方が多く、子どもでは80%くらいは原因不明です。アレルギー以外の原因で多いのは感染症やストレス、疲労などで、蕁麻疹が出ただけでは明らかに食物アレルギーを疑う状況がなければアレルギー検査の必要はありません。
主な症状
- 皮膚症状(かゆみを伴う、円形や地図上の皮膚の赤みや盛り上がり、腫れ)
- 呼吸の症状(息苦しさや喘鳴(ゼイゼイ)、のどのイガイガ感)
- おなかの症状(嘔吐、下痢、腹痛)
- 心臓と神経の症状(ふらついたり、意識が遠のく、血の気がひく)
検査
当院では食物負荷試験は対応しておらず、食物アレルギーのお子さんは初期の対応を行った後、アレルギー対応可能な総合病院に紹介を行います。
治療
皮膚の症状のみ
蕁麻疹を抑える抗ヒスタミン薬の内服を行います。
数日から1週間かけて、出たり消えたりを繰り返しながら徐々にひいていきます。
内服中は入浴して全身の血流が良くなりすぎるのを避けてもらいます。
シャワー浴は問題ありません。
アナフィラキシー
症状に応じてアレルギーを抑える筋肉注射、吸入薬、ステロイドの内服を行います。
再診の目安
内服を初めて5日間経過しても蕁麻疹が完全に良くならない場合や皮膚以外の症状が出てくる場合には再診をお願いします。