クループ
この病気は、主に3歳以下のお子さんに好発する喉や声帯周辺が浮腫む病気です。
ウイルス感染による急性上気道炎(風邪)に併発します。
経験的には風邪をひいた初日ないし翌日の夜間23時頃から早朝3時頃までに突然息苦しそうな様子が見られ、オットセイの鳴き声のような苦しそうな呼吸が始まることが特徴です。
感染により喉や声を出す声帯付近が浮腫むことが原因です。
主な症状
多くは急性上気道炎(風邪)に合併するため、咳、鼻水などの一般的な風邪症状に加え、
発熱、耳痛、不機嫌、嘔吐などの症状がみられます。
発作が起きた後、特有の咳が改善した後も数日間声がかすれた症状が残ります。
治療
ステロイドのお薬を内服します。
基本的には夜間に悪化する病気のため、日中のクリニック受診時には特有の咳が改善していることが期待されます。通常、声がかすれた症状のみとなっていることが多いため、ステロイドの内服薬のみで対応しますが、強く特有の咳が残っている場合には総合病院への紹介を行う場合があります。
またほとんど場合にウイルス感染が原因のため、抗菌薬(抗生物質)は効果がありません。
抗菌薬によって腸内細菌のバランスが崩れて起きる下痢の症状が出たり、長期的には耐性菌(抗菌薬が効かない細菌)が出てくる原因となるため、原則抗菌薬の処方は行いません。
再診の目安
受診当日の夜も特有の咳が出た場合や声がかすれる症状が気になる場合には再診をお願いします。
夜間に突然症状が出てくる病気です。風邪をひいているときに急にお子さんの呼吸がおかしい、苦しそうと思ったら救急要請をしてください。