3・4か月児健診
少し子育てに慣れてきたでしょうか。赤ちゃんにも徐々に昼と夜のリズムが出てきたのではないかと思います。生後4か月では、早いお子さんは体重が7kgくらいに増えていたり、半分くらい寝返りをするようになっていることもありますが、体格も発達も個人差が目立つようになる時期ですので、兄弟や周囲のお友達と比較することよりもお子さんごとのマイペースな発達成長があるかどうかが重要だと考えています。私たち小児科医が3・4か月児健診で特に重要視していることは、お母さんお父さんと目線が合うか、あやすと笑うか、体重は増えてきているか、首は座っているか、股関節の病気のリスクはないかどうかです。
当院では日本小児整形外科学会推奨の乳児股関節検診を採用しています。
診察と問診だけでは股関節形成不全という赤ちゃんの股関節の病気を見逃してしまうリスクがあるため、乳児股関節検診のスクリーニング項目に引っかかった場合には二次検診対応可能な整形外科に紹介を行います。
近年仰向け寝の推奨とともに頭の形が歪む位置的頭蓋変形症が注目されています。
まだ保険での治療はできませんが、ヘルメットをかぶり、頭の形を矯正するヘルメット療法が広まってきています。矯正可能な時期は首が座るこの時期から始めたほうが効果は高く、導入が遅くなればなるほど頭蓋骨の成長が進み、効果が落ちてしまうと言われています。
当院では直接ヘルメット療法の導入はできませんが、対応可能な病院への紹介などはできますので、頭の形が気になる場合にはご相談ください。
当院ではWebでの健診予約時に以下の質問に回答をお願いしています
- 3・4か月児健診予診票
-
- ① 母乳やミルクはよく飲みますか
- ② あやすとよく笑いますか
- ③ お母さんやお父さんと目はあいますか
- ④ 目つきや目の動きがおかしいと思ったことはありますか
- ⑤ おもちゃを握ったりしますか
- ⑥ 抱っこした時の反り返りやつっぱりが気になることはありますか
- ⑦ からだが柔らかくて力が入っていないようすが気になることはありますか
- ⑧ オムツ交換の時に足が開きにくいと感じることはありますか
- ⑨ ご家族に股関節の病気はありませんか
- ⑩ 頭の形は気になりますか
- ⑪ 育児は楽しいですか
- ⑫ 育児を協力してくれるご家族はいますか
- ⑬ 心配なことや相談しておきたいことはないですか
6・7か月児健診
夜泣きや人見知りは始まりましたか、この頃になるとそれまでは夜にしっかり寝てくれていたお子さんも突然寝つきが悪くなったり、夜泣きで数時間泣き続けることも珍しくはありません。徐々に風邪をひいたり、熱を出したりすることも見られ、予防接種や健診以外で小児科を受診される方が増えてくる頃です。
生後6か月を超えると、上手に寝返りが出来るようになり、7か月頃にはお座りも様になってきます。ただお座りを嫌がり、お座りをほとんどせずに、その後歩き出すお子さんもいるので、お座り以外の発達に問題がなければ様子を見ていきます。離乳食を進めていると思いますが、ミルクや母乳しか飲まなかったり、食べむらがあったりしてむしろ思い通りに進まない方が多いくらいです。体重が減少するなどなければ、まずは焦らずにこの時期は赤ちゃんと一緒にご飯を楽しむつもりで過ごされるのが良いのではないでしょうか。私たち夫婦も、長男は離乳食が進まずに困りましたが、突然1歳くらいから食べるようになって驚いたことがあり、今では良い思い出です。
私たち小児科医が6・7か月児健診で特に重要視していることは、生後6か月のお子さんではお母さんお父さんが呼びかけて振り向くか(耳が聞こえていそうかどうか)、寝返りをするか、生後7か月のお子さんではお座りはできるか、積み木などのおもちゃを手や指でつかめるかどうかなどです。
当院ではWebでの健診予約時に以下の質問に回答をお願いしています
- 6・7か月児健診予診票
-
- ① 離乳食は進んでいますか
- ② 寝返りをしますか
- ③ お座りをしますか
- ④ 目つきや目の動きがおかしいと思ったことはありますか
- ⑤ おもちゃを握ったりしますか
- ⑥ 呼びかけると振り向いたり反応はありますか
- ⑦ 夜泣きはありますか
- ⑧ 人見知りをしますか
- ⑨ 育児は楽しいですか
- ⑩ 育児を協力してくれるご家族はいますか
- ⑪ 心配なことや相談しておきたいことはないですか
9・10か月児健診
この頃になると上手にお座りが出来るようになり、ハイハイやつかまり立ちをしたりとお子さんの行動範囲が広がり、異物誤飲が増える時期ですので、トイレットペーパーの芯に入る大きさのものはすべて食べてしまうものと考えて管理することが重要になります。
歯が2~3本生えてくることが多く、少し固形の離乳食も食べれるようになったのではないでしょうか。乳歯に関しては1歳ごろまでに生え始めれば問題はありません。離乳食を進める中で、牛乳、卵、小麦などで食物アレルギーの症状が見られ始めるころです。当院では食物負荷試験はできませんが、食物アレルギーが疑われる場合には負荷試験対応可能な病院に紹介させて頂きますので、ご相談ください。
私たち小児科医が9・10か月児健診で特に重要視していることは、お座りは上手にできるか、つかまり立ちができるかどうかなどです。
当院ではWebでの健診予約時に以下の質問に回答をお願いしています
- 9・10か月児健診予診票
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- ① 離乳食は3回食になりましたか
- ② お座りをしますか
- ③ ハイハイはしますか
- ④ つかまり立ちをしますか
- ⑤ 伝い歩きをしますか
- ⑥ 『あー』『うー』など赤ちゃんことばは出てきましたか
- ⑦ 呼びかけると振り向いたり反応はありますか
- ⑧ 夜泣きはありますか
- ⑨ 人見知りをしますか
- ⑩ 育児は楽しいですか
- ⑪ 育児を協力してくれるご家族はいますか
- ⑫ 心配なことや相談しておきたいことはないですか
1歳6か月児健診
この頃になると上手にひとりで歩けるようになり、まだまだ上手とは言えないまでもスプーンを使ってごはんを食べようとしたりするころです。体重も10kgくらいになり、お母さんお父さんと同じようなものをかなり食べれるようになったのではないでしょうか。意味のある言葉を話したり、絵本の指差しが出来たりとお子さんとのコミュニケーションが取れるようになって楽しくなる時期である反面、より一層動き回るようになって頭をぶつけるなどのケガも増えてくる時期になります。
歯が生えそろってくるにつれて、う歯(虫歯)も増えてくる時期ですので歯科検診もしっかりと受診してください。
私たち小児科医が1歳6か月児健診で特に重要視していることは、ひとりで上手に歩けるか、意味のある単語は5個以上話せるか、積み木を3つくらい積めるか、絵本などの読み聞かせの時に指差しをするかどうかなどです。
当院ではこどもの弱視や斜視などの目の異常を早期発見する目的でスポットビジョンスクリーナーという医療機器を導入しています
3歳児健診で行う自治体が増えてきていますが、より早期のスクリーニングが重要と考えていますので、検査を希望される方はご相談ください。
当院ではWebでの健診予約時に以下の質問に回答をお願いしています
- 1歳6か月児健診予診票
-
- ① ひとりで上手に歩けますか
- ② 意味のある言葉を5つ以上話しますか
- ③ 絵本の読み聞かせなどの時に指差しをしますか
- ④ 積み木などのおもちゃを3つくらい積み重ねることができますか
- ⑤ 呼びかけると振り向いたり反応はありますか
- ⑥ 歯磨きは出来ていますか
- ⑦ 育児は楽しいですか
- ⑧ 育児を協力してくれるご家族はいますか
- ⑨ 心配なことや相談しておきたいことはないですか